〒039-1532 青森県三戸郡五戸町観音堂18-6 (旧 松尾医院)

骨粗鬆症osteoporosis

当院では、骨粗鬆症の予防、診断、治療について、ガイドラインに基づく最新の診断と適切な治療をご提供しております。
骨折の原因ともなる骨粗鬆症が発症する前に、診断と治療を行うことが大切です。

骨粗鬆症治療の重要性

骨粗鬆症は、骨の密度と質が低下し、骨が脆くなることで骨折のリスクが高まる状態を指し、特に高齢者や女性に多く見られます。
超高齢社会が進行する中で、日本国内にはおおよそ1300万人以上が骨粗鬆症であると推定されていますが、実際に治療を受けているのはそのうち2割未満という現状があります。
骨粗鬆症は初期段階では症状がほとんど現れず、骨折が発生して初めて気付かれることが多いのが特徴です。
高齢の方が骨折を経験すると、その後の健康状態が悪化し、寝たきりに至るケースも少なくありません。
実際、骨粗鬆症による骨折患者の死亡リスクは、骨折のない人々と比較して8倍も高いというデータが示されています。
そのため、骨折を予防する観点から、骨粗鬆症の治療を早期に開始することが極めて重要です。

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症とは、年齢やホルモンの影響で骨の質が低下し、骨が脆くなり、骨折のリスクが増す疾患です。
この病態はしばしば無症状で進行するため、骨粗しょう症の存在に気付かないまま、骨折を経験することがあります。
こうした理由から、無症状の状態でも、骨折を予防するために定期的な骨粗鬆症検査が推奨されています。
一度骨粗鬆症が進行すると、元の骨密度に戻すには相当の時間を要することがあります。
健康な骨を維持するためには、骨を構築する骨芽細胞と古い骨を分解する破骨細胞のバランスが重要です。
破骨細胞は古い骨を分解し、一方で骨芽細胞は新しい骨を生成します。
これらの過程が乱れたり崩れたりすると、骨粗しょう症の発症リスクが高まります。
骨密度の測定結果に基づいて、骨密度が低い場合には適切な薬物治療をご提案することもございます。

骨粗鬆症の症状

骨粗鬆症が進行すると、背骨(胸椎や腰椎)、太ももの付け根(大腿骨頚部)、手首(頭蓋骨遠位端)、腕の付け根(上腕骨近位端)などが骨折しやすくなります。
特に背骨(胸椎や腰椎)や太ももの付け根(大腿骨頚部)の骨折は、寝たきりの状態を引き起こし、最終的には死亡リスクを増加させることがあります。

骨粗鬆症の検査

骨密度検査

当院では、総合病院や大学病院と同等の最新鋭の骨密度検査機器を導入しております。
骨密度測定専用の専門室にて、経験豊富な放射線検査技師が検査を担当いたします。
当施設では最新のDEXA法(Dual-energy X-ray absorptiometry)による骨密度測定装置を用いて、高精度な骨密度検査を行っております。
DEXA 法は、2種類の異なるX線を用いて骨密度を測定する方法であり、超音波法やMD法と比べても優れた精度を誇ります。
このため、骨粗鬆症のガイドラインでも最も推奨される検査方法となります。
検査は、専用のベッドに横たわっていただき、背骨(腰の部分)と太ももの付け根(大腿骨頚部)の2箇所をそれぞれ測定します。
各部位の測定は約1分ほどで、検査全体もベッドに仰向けで寝ている状態で5〜10分ほどで完了します。
検査は痛みを伴わず、非常に短時間で行えるため、お身体に負担をかけることはありません。
この検査は保険が適用されるため、費用面での心配は必要ありません。
また、検査自体も短時間で行えるお身体に負担をかけることもなく、また、痛みもなく短時間で終了しますのでご安心ください。

レントゲン検査

胸椎と腰椎部分のレントゲン検査を行い、骨折の有無や骨の密度が適切かどうかを確認いたします。

血液検査

骨の状態やタイプを評価するために血液検査を行います。具体的には、「骨形成マーカー」「骨吸収マーカー」の測定を行い、骨の状態に関する情報を得る検査となります。
「骨形成マーカー」は、骨芽細胞による新しい骨の生成活動を示す指標です。
一方、「骨吸収マーカー」は、破骨細胞による古い骨の分解活動を示す指標となります。
これらのマーカーの値を分析することで、骨の形成と吸収のバランスがどのようになっているかを把握し、骨粗鬆症のタイプや進行度を判断するのに役立てます。
血液検査による評価は、適切な治療戦略の立案や骨粗鬆症の管理において重要な情報となり、その後に治療に活かしていきます。

骨粗鬆症の検査を受けるのが望ましい方

骨粗鬆症の発症者のほぼ8割が女性であり、女性ホルモンの減少が進行する更年期以降に多く見られます。
更年期の前後、つまり50歳前後から骨密度は急速に低下し、60歳代では2人に1人、70歳以上になると10人に7人が骨粗しょう症と診断されています。
40歳を過ぎたら、年に1度の検査を行うことが推奨されています。骨粗鬆症の検査は、骨折を予防するために早期の診断と治療が重要です。
以下の条件に当てはまる方は、どうぞ当院までお気軽にご相談ください。

  • マーク40歳以降の女性
  • 背が低くなってきた方(無理なく骨折が起きた方)
  • 腰が曲がってきた方
  • 背中や腰が痛い方
  • 骨折を繰り返す方
  • 健診で骨密度が低いと診断された方
  • ⻑期間にわたりステロイドを使用されている方
  • 喫煙歴がある方やアルコールを摂取される方
  • 関節リウマチ、糖尿病、甲状腺機能亢進症、早期閉経の既往がある方
  • ご両親に大腿骨頚部骨折や腰椎圧迫骨折の既往がある方
  • 慢性腎不全がある方や透析中の方
  • 外出が少なく、日光にほとんど当たらない方
  • ベッド上での生活が⻑い方
  • ご家族に骨粗しょう症の方がいる方
  • 婦人科疾患の既往がある方(卵巣や子宮の治療歴、手術歴がある方)
  • 運動が少ない方

当院では、こうしたリスク要因に基づいて骨粗鬆症の検査や治療をご提供しております。
ご不明な点やご相談、心配事などございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。

治療方法

骨粗鬆症に起因する骨折は、適切な治療によって確実に予防することが可能です。
当院では、最新の科学的根拠とガイドラインに基づき、個々の患者さまに合うカスタマイズされた治療方法をご提案しております。

血液検査

骨の代謝のバランスを整えるための治療法として、以下の薬剤が利用されています。

骨の代謝バランスを整える

活性型ビタミンD製剤
内服薬:エディロール
1日1回服用

骨の健康を維持し、
骨破壊を抑制する

内服薬:ビスホスホネート製剤
(ボナロン、ボンビバ、フォサマック、アクトネル、リカルボン、ベネット、ボノテオ)
毎日・週に 1 回・または月に 1 回服用 注射:ボンビバ、ボナロン、リクラスト
月に1回、年に1回

デスノマブ
注射:プラリア
6ヶ月に1回

SERM
内服薬:エビスタ、ビビアント
1日1回服用

骨の形成を促進する

テリパラチド
注射:フォルテオ、テリボン
週に1回注射、または週に2回自己注射、毎日自宅で自己注射

ロモソズマブ
注射:イベニティ
月に1回

食事療法

骨に関する話題でよく質問されるのが、「カルシウムが足りていないでしょうか?」ということです。
確かに、カルシウムは骨の重要な構成要素であり、不足すると骨粗鬆症の原因になる可能性があります。
しかしながら、ただカルシウムを過剰に摂取しても、腸で効果的に吸収されないことがあります。
カルシウムの吸収を助けるビタミンDの役割が非常に重要です。
特に高齢者の場合、ビタミンD不足が問題となることが多くあります。
ビタミンDを含む魚の摂取や、ビタミンDを活性化させるための日光浴(1日15分程度)が大切です。
これによって、カルシウムの吸収が促進され、骨の健康をサポートする効果が期待されます。
カルシウムの摂取だけでなく、適切なビタミンDの摂取や日光浴も注意深く行うことが、骨粗鬆症の予防や管理にとって重要です。
健康状態に合わせたバランスの取れた栄養とライフスタイルが、健康な骨を維持するために大切な要素となります。

運動療法

運動は骨に適度な刺激をもたらし、骨密度の向上を促進します。
同時に、筋力の増強は転倒リスクを低減し、骨折の予防に繋がります。
当院では、専門の理学療法士がリハビリテーションプログラムを作成し、患者さまの姿勢や歩行能力の改善、そして骨折予防に向けたサポートを行っております。

骨粗鬆症の検査や治療は保険診療となっております。
ご希望の方は、お気軽に当院スタッフまでご相談ください。